【9月22日 AFP】米アップル(Apple)がモバイル端末用にリリースした地図アプリの情報に数々の間違いが見つかっている問題で、中国と日本とがお互いにその権利を主張する尖閣諸島(Senkaku Islands、中国名:釣魚島、Diaoyu Islands)の領有権問題についての「解決策」を提示しているかのような間違いも発見された。

 この地図アプリは、モバイル端末用基本ソフト(OS)「iOS6」の新機能としてアップルが開発したもので、21日に発売された新型スマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone 5(アイフォーン5)」にも、米グーグル(Google)の地図アプリに代わって搭載されている。だが今週iOS6がリリースされるやいなや、主要ランドマークや町の場所等が間違っていたり、新しい空港を作り出してしまったりと間違いが相次いで指摘されていた。

 さらに、この地図アプリで尖閣諸島を検索すると東シナ海に浮かぶ「2組」の尖閣諸島が表示されるというエラーが発見された。

 ある日本人ブロガーは、「両国に1つずつ島が割り当てられている。これは民間人同士で不毛な争いをするなというアップルからのメッセージなのだろうか」とコメントしている。

 多くのユーザーに惜しまれながら新アプリに置き換えられたグーグルの地図情報サービス「グーグルマップ(Google Maps)」のiPhone用公式アプリは今のところ存在していないが、間もなく公開されるのではという噂もある。

 尖閣諸島は日本が実効支配しており、先日の国有化を機に日中間で緊張がさらに高まっている。中国各地での反日デモには連日数万人が参加し、また一部地域では日系の商業施設や工場も襲撃された。(c)AFP