【9月5日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は8月31日、天の川銀河(Milky Way)の小型伴銀河で、地球から約16万光年離れた大マゼラン雲(Large Magellanic Cloud)にある「スーパーバブル」の画像を公開した。

 マゼラン雲(Magellanic Clouds)内で44番目に見つかった星雲「N44」には、多くの新しい星が誕生する星団「NGC 1929」があり、時に質量がかなり大きな星も形成される。

 大質量星では高レベルの放射線が生まれ、物質を高速で放出しながら最終的に超新星となって爆発するまで急速な進化が続く。恒星風と超新星爆発の衝撃波により、周囲のガスが押しやられて生まれる巨大な空洞が「スーパーバブル」だ。

 画像の青い部分は、チャンドラX線観測衛星(Chandra X-ray Observatory)が観測したX線データを表したもので、恒星風や衝撃波によって高温になった領域を示している。赤い部分は、NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡(Spitzer Space Telescope)が捉えた、バブルの縁にある塵(ちり)や比較的低温のガスだ。黄色い部分は、高温の若い星が放出する紫外線によって光る星雲内のガスを南米チリにあるMPG/ESO2.2m望遠鏡が観測したものとなっている。(c)AFP