【7月25日 AFP】欧州南天天文台(European Southern ObservatoryESO)はこのほど、南米チリ、米ハワイ(Hawaii)、米アリゾナ(Arizona)州の3つの電波望遠鏡を史上初めて接続し、地球から50億光年離れたクエーサー(準恒星状天体)「3C 279」のこれまでで最も詳細な観測に成功した。

 今回初めて接続されたのは、チリのアタカマ砂漠にあるAPEXAtacama Pathfinder Experiment)望遠鏡と、ハワイのサブミリ波干渉計(SMA)、そしてアリゾナ州のサブミリ波望遠鏡(SMT)。

 クエーサーは遠く離れた銀河にある非常に明るい天体で、超大質量ブラックホールをエネルギー源に持っていると考えられている。「3C 279」のブラックホールは、太陽の10億倍の質量を持つ巨大なものだ。

 今回、研究チームは「3C 279」の周囲1光年未満の範囲の観測に成功したが、これは地球から数十億光年離れた天体の観測としては目覚ましい成果といえる。(c)AFP