【12月26日 AFP】ゾウの足の後ろ側にある骨のような突起は、陸生ほ乳類で最も重いゾウがバランスをとるための6本目の「指」だとする研究結果が、23日の米科学誌サイエンス(Science)に掲載された。

 この突起は、18世紀にスコットランドの医師がゾウを史上初めて解剖した際に発見された。この骨が何かについて科学者たちは長く困惑させられてきたが、サイエンス最新号に掲載された論文がこの謎を解明した。

 研究によれば、この骨は正確には指ではないが、ゾウの体重を支えるためのもので、指と同等に機能しているという。論文の主執筆者、英ロンドン大の王立獣医カレッジ(Royal Veterinary College)のジョン・ハッチンソン(John Hutchinson)教授は英BBCラジオに対し、「ゾウの体重を支えるという意味で指と同じ機能を発揮している。この骨は少々奇妙な骨で、進化の過程でかなり長い骨に伸びた」と語った。

 研究チームは、X線や解剖、電子顕微鏡などを使い研究を実施。ゾウの5本の指は前向きについているが、この余分な「指」は後ろ向きについており、補助的な支えを与えていた。

 同様の現象は、パンダやモグラにも見られる。パンダの「6本目の指」は竹をつかむために役立っており、モグラの6本目の指は穴掘りに役立っている。

 また、研究チームはゾウの化石を分析し、この骨が初めて登場したのが、ゾウが巨大化して陸生が進んだおよそ4000万年前であると推定した。(c)AFP