【12月8日 AFP】カラスの生態を研究している宇都宮大学(Utsunomiya University)の杉田昭栄(Shoei Sugita)教授(動物機能形態学)のグループが、カラスには少なくとも1年間は色を記憶できる記憶力があるという研究結果を得た。

 杉田教授の研究グループは、餌が入った容器には赤と緑のマークが付いたふたをし、餌のない容器には黄色と青のマークが入ったふたをして、ハシブトガラス24羽を餌が入った容器を見分けられるように訓練した。

 その後、24羽を複数のグループに分けて通常の飼育しながら、時期を変えて各グループに、この2種類のふたをした容器を使って実験を行ったところ、最初の実験から1年間全くこのふたをした容器を見ていないグループでも、餌の入った容器を見分けることができたという。

 研究は、カラスの営巣による送電鉄塔のトラブル防止対策の一環として中部電力(Chubu Electric Power Company)との共同実験により行われた。

 杉田教授は、カラスが非常に賢い生き物であることが証明されたと述べ、カラス対策には綿密な計画が必要だと指摘した。(c)AFP