【9月30日 AFP】ノーベル賞(Nobel Prize)のパロディー版、第21回「イグ・ノーベル賞(Ig Nobel Prizes)」の授賞式が29日、米ハーバード大(Harvard University)で行われ、「人々を笑わせ、それから考えさせる」研究を行った研究者らに正真正銘のノーベル賞受賞者らが賞を手渡した。各賞の受賞者は以下のとおり。

・生物学賞
「ビール瓶に乗っかるカブトムシ:オスのタマムシはビール瓶をメスと勘違いする」という論文を発表したダリル・グウィン(Darryl Gwynne)氏(カナダ・オーストラリア・米国)とデービッド・レンツ(David Rentz)氏(オーストラリア)。素人はこのタイトルを見てこう思うだろう。「オーストラリアのカブトムシたちは悲しくもビール瓶とセックスしたがっている」

・医学賞
「忙しい最中ほど無性にトイレに行きたくなる」という人類が昔から直面してきた困難について研究したオランダ・ベルギー・オーストラリアの共同研究チーム。トイレに行きたくてたまらない時に下した決断が、ものによって良かったり悪かったりするのはどうしてなのか、原因を追究した。

・心理学賞
「人間はなぜ日常生活においてため息をつくのか」を研究したノルウェー・オスロ大学(University of Oslo)のKarl Halvor Teigen教授。

・生理学賞
 アカアシガメのあくびを研究し、「あくびは伝染しない」と結論付けた英国・オランダ・ハンガリー・オーストリアの共同研究チーム。

・物理学賞
 円盤投げの選手は目が回るのに、ハンマー投げの選手は目が回らないのはなぜかを究明したフランスとオランダの共同研究チーム。

・公衆安全賞
 幹線道路を運転中にサンバイザーが下がって視界が何度も狭くなった場合の運転能力について、自ら運転して測定したカナダ・トロント大学(University of Toronto)のジョン・センダース(John Senders)氏。ちゃんと生きて賞を受け取ることができたのはラッキーと言うべきか。

・化学賞
 火事の際に寝ている人を起こすことができる「わさびのにおい」の理想的な濃度を研究し、「わさび警報装置」を開発した日本の研究チーム。

・数学賞
 世界が終わる日を予測・断言し、「数学的仮定を立てる際には気を付けた方がよいと世界に知らしめた」学者6人。うち1人は終末を今年の10月21日と予測しているため、イグ・ノーベル賞も今年が最後になるかもしれない。

・平和賞
 リトアニアの首都ビリニュス(Vilnius)のアルテュラス・ズオカス(Arturas Zuokas)市長。違法駐車の多さに業を煮やし、自ら装甲車を操縦して高級車を押しつぶすパフォーマンスを行った。

・文学賞
「Theory of Structured Procrastination(構造化された先延ばしの理論)」を執筆した米スタンフォード大学(Stanford University)のジョン・ペリー(John Perry)氏。「構造化された先延ばし」とは、常に重要な作業をすることによって、それ以上に重要な作業をせずに済ませるテクニックを指している。(c)AFP/Sebastian Smith

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