【8月19日 AFP】コーヒーをテーブルクロスにこぼしてしまい、乾いた時に、しみの縁だけがリング状に茶色くなっていた、という経験はないだろうか? 米ペンシルベニア大(University of Pennsylvania)の研究チームが、この面白い現象を顕微鏡で分析したとする論文を18日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表した。

 この「コーヒーリング効果」は、液中の粒子の形と、これらの粒子が表面張力にどのように反応するかという2つの要素に由来している。「粒子」とは、コーヒーやインクや染料の分子、つまり液体の中に浮遊している物体を指す。

 観察によると、球状の粒子はしずくの縁に集まる傾向があった。コーヒーの茶色が乾いた時に縁にリング状にとどまる訳は、これで説明できる。

 だが細長い粒子や楕円体の粒子はゆるく集積し、表面全体への滑らかな移動を容易にしていた。

 このことは、粒子の形を変えれば、乾いた時の粒子の堆積の仕方も変えられることを意味している。楕円体粒子を少量混ぜるだけでも堆積の仕方を変えることが可能かもしれない。

 研究者によると、この方法を応用すれば均一な塗装が比較的簡単に実現できる。印刷や塗装に革命をもたらしうる方法だと論文は述べている。(c)AFP

【参考】ユーチューブに投稿された説明ビデオ