【6月15日 AFP】イタリアの科学者チームがフィリピンの洞窟で、すでに絶滅したカイギュウ目の約2000万年前の骨の化石を発見した。科学者チームの代表が6日、語った。

 科学者チームは、フィリピンのパラワン(Palawan)島の地下河川で、2月と3月に、水面上の石灰岩から海洋生物のろっ骨と背骨を複数発見した。

 伊フィレンツェ大学(University of Florence)の地質学者、レオナルド・ピッチーニ(Leonardo Piccini)氏はAFPの取材に「化石は岩の中にある。岩ごと運ぶことはできないが、取り出したくない。化石を取り出さずに研究できる技術ができるまで待とうと思ってる」と語った。

 現存するカイギュウ目は、ジュゴンとマナティーの2種類だけ。サイズは全長180センチほどだったとみられ、これまでの調査で、化石は、絶滅した2種のカイギュウ目のうちのいずれかである可能性が高いことがわかっている。

 2000万年前の中新世のころのカイギュウ目の化石がこの地域で発見されるのは初めてで、当時の分布や生息環境を知る上で非常に貴重な発見だと、ピッチーニ氏は述べた。(c)AFP