【6月15日 AFP】若者の脳は、ある曲がメガヒットソングになるかならないかを見分けるヒントを提供している可能性があるとの研究が、8日の医学誌「Journal of Consumer Psychology(消費者心理学ジャーナル)」に掲載された。

 研究の結果、若者の脳の腹側線条体と呼ばれる領域の活動が、楽曲のヒットの有無と関連していたという。

 研究は2006年に米ジョージア(Georgia)州のエモリー大学(Emory University)で行われた。12~17歳の若者27人を対象に、あまり知られていないポップソングをSNSマイスペース(MySpace)から選んで聞かせた。音楽を聴く間、若者たちはMRI(磁気共鳴画像装置)スキャンを受け、また、聴いた楽曲がどれくらい好きかを評価してもらった。

 それから3年後、研究を率いた同大のグレゴリー・バーンズ(Gregory Berns)氏は、米人気オーディション番組「アメリカン・アイドル(American Idol)」を眺めているとき、自分の研究で使った音楽が流れてくるのが聞こえた。

 あの研究がヒットソングを予測できるかもしれないと考え始めたバーンズ氏は、研究資料をもう一度振り返り、2007~2010年の売上実績を調べてみた。

 すると、その後ヒットした楽曲のうちの3分の1で、被験者の脳が肯定的な反応を示していたことが分かった。また、脳がほとんど反応しなかった楽曲の90%はまったくヒットしなかった。一方で、若者たちによる「評価付け」は、楽曲がヒットソングになるかどうかには関係がなかった。

「ヒット予測が完全ということはないが、若者たちの脳の反応と楽曲の売上実績との間には有意な相関関係があった」と、バーンズ氏は語った。(c)AFP