【5月9日 AFP】南米ボリビアの断層で、これまでの予想より125倍強いマグニチュード(M)8.9規模の地震が起きる危険性があると指摘する論文が、8日の英科学誌「ネイチャージオサイエンス(Nature Geoscience)」に発表された。

 主筆者の米ハワイ大マノア校(University of Hawaii Manoa)の地球物理学者、ベンジャミン・ブルックス(Benjamin Brooks)氏によると、アンデス山脈中央部の東側を100キロにわたって南北に走る「Mandeyapecua衝上(しょうじょう)断層」で発生する地震の規模は、これまで最大でM7.5程度と考えられており、誰もそれを過小評価だとは考えていなかった。この地方では地震活動が比較的少なかったことも、この試算を裏付ける根拠とされていた。

 だが、衛星利用測位システム(GPS)で山脈東側のデータを丹念に分析したところ、溜まったエネルギーは最大でM8.7~8.9に相当したという。

 ブルックス氏らは、GPS基地局のわずかな移動を記録することで、年間1ミリ以下の表面移動速度を観測。すると、Mandeyapecua衝上断層では、西側の地層が東側の地層に向かって移動しており、すでに危険なレベルの力が加わっていることが分かった。

「断層全体が1回の地震で一気に破壊されれば、最大M8.9の地震が起きるだろう」と、ブルックス氏は声明で述べている。地震が起きる可能性のある時期については、予測できていない。(c)AFP