【4月25日 AFP】米国の民間宇宙開発ベンチャー、スペース・エクスポラレーション・テクノロジース(Space Exploration Technologies Corporation、通称「スペースX(SpaceX)」)のイーロン・マスク(Elon Musk)CEOは、23日の米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)掲載インタビューで、10~20年以内に火星への有人飛行を実現させたいと語った。

「3年以内に(当社として)初めて人類を宇宙に送り、それから火星を目指す。早ければ10年後、遅くとも15~20年後になるだろう」

 カリフォルニア(California)を拠点とするスペースXは、米2大民間宇宙開発企業の1つで、インターネット事業で財を成した南アフリカ出身のマスク氏が2002年に設立した。米航空宇宙局(NASA)から7500万ドル(約62億円)の資金供与を受けて、スペースシャトルに代わる宇宙船開発に取り組んでおり、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を輸送するコンテナの受注企業でもある。昨年には、無人宇宙カプセルの軌道投入と帰還の初試験を成功させた。

 1981年に始まった米国のスペースシャトル計画は、次週の「エンデバー(Endeavour)」と6月の「アトランティス(Atlantis)」の打ち上げで、全て終了する。米政府には、その後の宇宙船開発を民間企業の手に委ねたい思惑がある。

 マスク氏は、「わが社の目的は、人間と物資を他の惑星まで輸送し帰還させられる技術を開発すること。実際に行きたいかどうかは、その人次第だ」と語った。「人類が宇宙に乗り出して星々を探検する、そんな素晴らしくスリルに満ち、想像力をかき立てる未来を、われわれの手で実現させたい」

 スペースXは今月初め、打ち上げ用ロケット「ファルコンヘビー(Falcon Heavy)」を公開した。マスク氏によるとこれは世界でも最重量級のロケットで、2012年に第1回の打ち上げデモンストレーションを行う予定。「ファルコンヘビー」は、スペースシャトルの倍以上にあたる重量53トン以上の衛星や宇宙船を軌道投入できるという。(c)AFP

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