【4月8日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は7日、地球から38億光年離れたりゅう座銀河の中心で、1週間以上継続しているガンマ線バーストを観測したと発表した。

 通常、ガンマ線バーストは大質量の星が崩壊した際に発生すると考えられている爆発現象で、発せられた光は長くても数時間で消滅する。

 ところが、前月28日にNASAのガンマ線バースト観測衛星スウィフト(Swift)によって観測され「GRB 110328A」と命名されたこのバーストは、今月4日、NASAのハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)で依然、現象が継続していることが確認された。

 天文学の想定をはるかに超え、1週間以上続いているGRB 110328Aについて、NASAは「これまで観測されたバーストの中でも最も不可解な部類に入る」と驚きを表明した。天文学者らも、これほど明るく、変光の度合いが大きく、高エネルギーで、継続期間も長いバーストは見たことがないと口をそろえている。

 NASAの科学者は、バーストが銀河の中心で発生していることから、大質量ブラックホールに関係している可能性が極めて高いと推測している。

 その推測によると、星がブラックホールに近づき過ぎたためバーストが発生し、強力な潮汐力によってこの星が引き裂かれ、ガスがブラックホールに落下し続けている可能性がある。この仮定に基づくと、ブラックホールの回転軸に沿って外側へ向かう噴流が発生するが、この噴流が地球の方角を向いた時にX線とガンマ線の大規模な噴出、つまりガンマ線バーストが観測されると考えられるという。

 NASAではハッブル宇宙望遠鏡などを使い、このバーストの謎を解くべくデータ収集を続ける。(c)AFP