【2月6日 AFP】火星の北極冠周辺に見える黒っぽい砂丘は、二酸化炭素の昇華の影響で地滑りを起こし、季節ごとに移動しているとする論文が、3日の米科学誌サイエンス(Science)に発表された。

 火星の1年(680日)の間に砂丘が顕著に変化することは、米航空宇宙局(NASA)の火星探査機「マーズ・リコネサンス・オービター(Mars Reconnaissance OrbiterMRO」が撮影した画像で明らかになった。

 論文を執筆した米惑星科学研究所(Planetary Science Institute)のカンディス・ハンセン(Candice Hansen)氏によると、1つ目の要因は、冬季に一帯を覆うドライアイスが春になると昇華することだ。昇華により砂丘表面が不安定化し、地滑りを起こして、砂丘にくぼみや溝などができる。

 2つ目の要因は、非常に強い風が吹いていることだ。砂丘の風紋は、多方向から突風を受けたことを示している。論文は、二酸化炭素の霜の影響によるこのような現象は地球上では見られないとしている。(c)AFP