【1月22日 AFP】強いトビほど巣を白いビニール片で飾る傾向があるとの研究結果を、スペインの研究チームが20日、発表した。

 スペイン科学研究高等会議(CSIC)のフリオ・ブラス(Julio Blas)氏らの研究チームは、同国南部のドナナ国立公園(Donana National Park)にあるトビの巣127個を調査した。その結果、強いトビほど、自らの力を誇示するために白いビニール片で巣を飾り立てることがわかった。

 ブラス氏によると、トビが使うのはビニール片のうちの白色のものだけで、7~12歳の繁殖可能期のトビの装飾が最も華美だった。

 ブラス氏は「トビは特に白いビニール片を好む。これは人間だけでなく同類のトビたちにも巣を見えやすくする行為だ」と述べ、「装飾の量はトビ個体の戦闘力を示している」と説明する。

 ビニール片による巣の装飾が始まるのはメスが卵を産み付ける20日前ごろから。トビは縄張り意識が高く、巣をビニール片で装飾した結果、トビ同士の争いが増えるという。

 白いビニール片を最も多く巣に飾るトビは「他のトビの侵入を撃退する能力の高いトビ」だった。研究チームが試しに若いトビや高齢のトビの巣に白いビニール片を設置したところ、あまり強くないトビは、即座にビニール片を巣から取り除いた。

 ブラス氏は「まるで柔道家や空手家が帯の色を使い分けるようだ。強くない人が黒帯を締めていても、いいことはない」と語った。(c)AFP