【12月23日 AFP】英国の8~10歳の小学生たちが学校の課題として行ったマルハナバチの研究が、このほど科学界の世界的権威である英国王立協会(British Royal Society)の専門誌「バイオロジー・レターズ(Biology Letters)」に掲載された。児童が執筆した論文が権威ある科学誌に掲載されるのは世界初という。

 イングランド南西部デボン(Devon)州にあるブラックオートン(Blackawton)小学校の児童25人は、地元の教会墓地に来るマルハナバチが色と模様をどのように認識しているかを、さまざまな実験を通して調べた。

 実験の1つでは、色鉛筆でいくつかの模様を描き、砂糖水と塩水を置いてマルハナバチの反応を見た。

 児童たちが地元科学者と共同執筆した論文は、実験結果について「マルハナバチは、どの色の花から蜜(みつ)を集めるかを決める際、色と空間の関係性を理解できることがわかった。科学は、今まで誰も成し得なかったことを成し遂げるという点で、クールでおもしろい学問だということも知った」と結論付けている。 

 同校のデーブ・ストラドウィック(Dave Strudwick)校長は、「児童たちが自ら実験を考案し、実施し、論文にまとめ上げた。全く新しい発見も得られた。(学術誌に)発表する価値は十分にある」と話した。

 一方、王立協会は22日、「昆虫の色と模様の視認に関してはこれまでよく知られていなかった。児童たちの発見はその分野での重要な前進をもたらした」とする声明を発表した。(c)AFP