【12月21日 AFP】鳥の祖先とされる恐竜のコエルロサウルス類は、ティラノサウルス・レックス(T・レックス)などの例外を除き、肉食ではなく草食であったとする論文が、20日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)に発表された。

 米シカゴ(Chicago)のフィールド博物館(Field Museum)の研究者らは統計分析を行い、獣脚恐竜の6つの主要系統のうち44種が草食であったことを見出した。獣脚恐竜の90%、特に、始祖鳥および鳥類の祖先とされるコエルロサウルス類は、植物中心の食生活を送っていたとの結論に達した。

 コエルロサウルス類の身体構造には、歯がない、首が長いなど、草食であったことを示す統計的な証拠が20か所以上認められた。これまでは、獣脚恐竜、特にコエルロサウルス類は肉食だったというのが定説だった。

 研究者らは、コエルロサウルス類は雑食性の祖先を持ち、約1億4500万~6500万年前の白亜紀には肉食をやめていたと考えている。

 この時代に草食恐竜の数が圧倒的多数を占めていたことを考えると、肉食のT・レックスやヴェロキラプトルの方が例外的だったと考えるべきだと研究者は指摘している。(c)AFP