【12月12日 AFP】2008年に韓国で発見された恐竜の骨の化石が、新種の角竜(つのりゅう)類のものであることが研究で確認され、恐竜は「コリアケラトプス(Koreaceratops)」と名づけられた。朝鮮半島で角竜類が発見されたのは初めて。日米韓の共同研究グループらが7日、発表した。

 コリアケラトプスは全長約1.6メートル、体重は30~45キロ程度と推定されている。同じ角竜で体重が6トン近い北米のトリケラトプスと比較して小型だ。トリケラトプスよりも前の時代、1億300万年前の白亜紀前期に生息していたとされる。

 今回の発見は、アジアに生息したイヌ程度のサイズの角竜が、北米のトリケラトプスなどのサイのような恐竜に進化した過程を解明するのに役立つとみられている。

「まれな発見だ」と、クリーブランド自然史博物館(Cleveland Museum of Natural History)古脊椎動物学の責任者でキュレーターのマイケル・ライアン(Michael Ryan)氏は語る。「これらの恐竜がアジアで最初に姿を現してから、北米に初めて登場するまでの間の2000万年を埋める発見になる」と、ライアン氏は発見の意義を評価した。

 ライアン氏は、韓国地質資源研究院(Korea Institute of Geoscience and Mineral ResourcesKIGAM)地質博物館の李隆濫(Lee Yuong-Nam)氏が主導した研究に参加した。論文は11月18日の学会誌「Naturwissenchaften: The Science of Nature」(電子版)に掲載された。

 コリアケラトプスは歯がぎっしりと生えたあごをオウムのようなくちばしが覆っていた。また、ひれのような幅の広い尾を使って泳いでいた可能性もある。

 両手を使わずに後ろ足だけで速く走ることができたとみられ、手はえさの植物を取ったりするのに使った可能性もある。コリアケラトプスにはトリケラトプスのような角が無い。代わりに、3本の骨が額から頭頂部へと伸びている。

 角竜のアジアから北米への移動について、ライアン氏は、地続きだったベーリング地峡(Bering Land Bridge)を「ゆっくりと歩いて移動したのだろう」と語った。(c)AFP/Kerry Sheridan