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「神の素粒子」に迫る、大型ハドロン衝突型加速器

  • 2010年07月28日 17:12 発信地:パリ/フランス
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  • 宇宙誕生の謎解明を目指す、大型ハドロン衝突型加速器(LHC)実験
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仏パリで開かれた高エネルギー物理学国際会議(International Conference on High Energy Physics)で報告する欧州合同原子核研究機構(European Organisation for Nuclear Research、CERN)の科学者ら(2010年7月26日撮影)。(c)AFP/ERIC FEFERBERG

【7月28日 AFP】欧州合同原子核研究機構(European Organisation for Nuclear ResearchCERN)は26日、2月末に再稼働した世界最大の粒子加速器「大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron ColliderLHC)」がすでに予想を上回る実績を挙げ、このペースが続けば今後数か月以内にも宇宙の基本法則についての新発見が期待できると報告した。

 LHCは再稼働後の4か月間で、ライバルである米国のテバトロン加速器(Tevatron Collider)が10年かけて成し遂げた数の発見に追いつくほどの成果をものにしている。LHCのほうが強力な加速器であることから、さらなる成果が見込まれている。

 LHCではすでに3月、光速に近い速度で陽子同士を衝突させ、宇宙を生んだ「ビッグバン」直後に近い状況をつくることに成功している。

■短期間で多くの成果

 26日、パリ(Paris)で開催中の高エネルギー物理学国際会議(International Conference on High Energy Physics)で報告したCERNのロルフ・ホイヤー(Rolf Heur)所長はLHCの最近の成果について、「新しい物理学というものが存在するならば、LHCはまさにそれを観察する準備ができていることを示している」と誇らしげに語った。

 LHCの目標のひとつは、素粒子物理学のいわゆる標準理論(Standard Model)を確認することだ。米テバトロン加速器の実験で、理論上存在が予言されていたクォークなどの素粒子の大半は発見されている。クォークの中でも最も質量が大きいトップクォークは寿命が 1×10^-25秒程度ときわめて短いため発見しにくいが、LHCではすでに数百の粒子からトップクォークを選り分けて観測している。議長を務める仏物理学者ギュイ・ウォルムセ(Guy Wormser)氏は「科学界が1~2年はかかると考えていたことを3か月で成し遂げた」と賞賛した。

■「神の粒子」「暗黒物質」に挑む

 また、理論的に存在が予言されながらまだ見つかっていない粒子で、「神の粒子」とも呼ばれるヒッグス粒子(Higgs Boson)の発見さえ、LHCならば可能かもしれないとの期待がかかる。ウォルムセ氏は「ヒッグス粒子は2014年か15年に見つかるかもしれない」と意気込む。「ヒッグス粒子の質量が大きければ、今年か来年に見つかる可能性もある」
 
 ヒッグス粒子が発見できたとしても、その詳細な研究にはさらに建設に20年、総工費100億ユーロ(1兆1400億円)を要する新たな設備が必要となるという。しかもその研究が進んだとしても、宇宙に存在するエネルギーや物質の中で、標準理論が説明するのはわずか5%にすぎない。残りはいまだ発見されていない暗黒物質や暗黒エネルギーでできていると考えられている。

 しかし銀河の質量の25%を占めるその暗黒物質の粒子についても「LHCは数か月以内に探索を開始する」(ウォルムセ氏)と言う。(c)AFP/Marlowe Hood

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