【7月23日 AFP】英南西部ウィルトシャー(Wiltshire)にある、巨石が円形に並んだ古代遺跡ストーンヘンジ(Stonehenge)の近くで、同じような円形の木製構造物の痕跡が見つかったと、英バーミンガム大(University of Birmingham)などの研究チームが22日明らかにした。ストーンヘンジの謎の解明につながると研究者らは期待している。

■大きさほぼ同じ、木製の「双子」サークル

 ストーンヘンジからわずか900メートル離れた地点で見つかったのは、幅1メートルの円形の溝。2つの入口をもった木造の建造物が建てられていた痕跡と見られ、建造時期は約4500年前、つまりストーンヘンジが建造されたのと同時期ではないかという。

 円の直径もストーンヘンジとほぼ同じで、ストーンヘンジから十分見える距離にあり、この建造物はストーンヘンジの木製版「双子」とも言える。研究者らは、ストーンヘンジが、各種施設が備わった神聖な場所のほんの一部であった可能性を指摘する。 

 同大のビンス・ガフニー(Vince Gaffney)教授は、「儀式用のモニュメントとしては、過去50年間で最大の発見。ストーンヘンジ周辺の景観についての理解を完全に変えるものだ」と話している。

■謎解明へ、長期プロジェクト始動

 今回の発見は、バーミンガム大やオーストリア、ドイツなどの考古学者が参加して行われている、最先端技術を駆使してストーンヘンジの謎を解明するプロジェクトの一環。3年がかりのプロジェクト開始からわずか2週間での大発見とあって、関係者は今後のさらなる発見に期待を寄せている。(c)AFP