【7月22日 AFP】太陽より2000倍も明るい観測史上最大の巨星を発見したとの論文を、英シェフィールド大(Sheffield University)などの国際研究チームが21日、英王立天文学会(Royal Astronomical Society)の専門誌「Monthly Notices」に発表した。これまで考えられてきた太陽質量の限界を2倍に拡張する発見という。

 この巨星は、チリにある欧州南天天文台(ESO)の光学・赤外線望遠鏡VLTVery Large Telescope)を使ってタランチュラ星雲(Tarantula nebula)にある2つの若い星団を観測していた際に発見されたもので、「R136a1」と名付けられた。

 誕生から100万年程度と見られ、人間で言うと中年にあたる。誕生時の質量は太陽の320倍だったと推定されるが、現在までにその5分の1、太陽の50個分程度を「減量」した。研究を主導したポール・クロウサー(Paul Crowther)教授は、「人間と違って、巨体で生まれて年齢とともに体重を大幅に落としている」と表現している。

「体重」が減ったとはいえ、まれに見る大質量星であることに変わりはなく、仮に太陽の位置にこの星を置いたとすると、強烈な紫外線放射により地球上に生命体が存在することは不可能になるという。

 こうした大質量星は生まれた当初から大きかったのか、小さな星が合体して大きくなったのか。今後は、起源の謎を解明するという仕事に取りかかることになるという。(c)AFP