【5月31日 AFP】白亜紀後期(約9700万~6500万年前)にあたる約7200万年前のメキシコの地層から、巨大な角を持つ新種の草食恐竜の化石が発見された。米ユタ大学自然史博物館(Utah Museum of Natural History)などの研究チームが28日発表した。

 化石は同国のコアウイラ(Coahuila)州で発見され、「コアウイラケラトプス・マグナクエルナ」と名づけられた。全長約6.7メートルで、肩や腰の高さは1.8~2.0メートル、体重は最大4.5トン。目の上には長さ1.2メートルもの2本の巨大な角があり、他のどの恐竜より長かったとみられている。

 研究の主著者、米ユタ大学自然史博物館の古生物学者マーク・ローウェン(Mark Loewen)氏は「メキシコの恐竜についてはほとんど分かっていないため、今回の発見は白亜紀後期のメキシコの恐竜についての知識を格段に増やすことになるだろう」と期待を寄せる。

 恐竜が生息していたころ、この地域は現在の米国のメキシコ湾沿岸のような、海水と淡水が混ざり合う、水と緑に恵まれた入り江だった。この地域で発見された恐竜の化石の多くが巻き貝や二枚貝の化石に囲まれていたことも、恐竜が海辺に住んでいたことを示している。

 この地域の恐竜はハリケーンのような暴風雨で大量死したと考えられている。(c)AFP