【4月29日 AFP】オーストラリアのアリススプリングス(Alice Springs)で29日、巨大な観測用気球の打ち上げが失敗し、積んでいた数百万ドル(数億円)相当の観測器機と近くに停まっていた自動車が破壊された。

 映像によると、巨大な気球の着陸装置部分が係留具からゆるみ、フェンスに激突して破片をまき散らし、近くに停まっていた4輪駆動車を破壊してようやく止まった。

 目撃者は「わたしたちは車の中に座っていたんですが、車を動かそうとした矢先の出来事でした。もう30センチ違えば吹き飛ばされていたでしょう。近くに停まっていた別の車がなければ今ごろどうなっていたか分かりません」とABCテレビに恐怖を語った。
 
 膨らむとサッカー場に匹敵する大きさになる巨大気球は上空約40キロの成層圏に浮かんで宇宙からのX線とガンマ線を観測するように設計されていたが、すっかりしぼんで打ち上げ場所の気球打ち上げセンターに落下した。
 
 同センターのラビ・スード(Ravi Sood)ディレクターはABCの取材に、NASAがスポンサーとなっている今回のプロジェクトに加わった科学者たちは大きく落胆していると沈痛な様子で語った。「気球を膨らませるときにありがちなことではあるが非常に残念で、まさに断腸の思いです」(c)AFP

【参考】ABCニュースのサイトに掲載された動画