【3月24日 AFP】2004年に米ユタ(Utah)州で発見された草食動物の化石は、約1億8500万年前に生息していた新種の恐竜のものであるとする論文が23日、オンライン科学誌「PLoS ONE」に掲載された。大きさはヒツジほどで、首と尾は長く、竜脚形亜目に属しているという。

 化石は、ユタ州のナバホ・サンドストーン(Navajo Sandstone)地域にある古代のアナサジ族の集落「イーグルズ・ネスト(Eagles Nest)」の下から発掘されたもので、「Seitaad ruessi(ナバホ語で「砂漠の怪物」の意)」と名付けられた。

 古生物学者ジョセフ・セルティッチ(Joseph Sertich)氏らの調査の結果、Seitaadは竜脚形亜目で、ジュラ紀初期の小型恐竜の一種であることがわかった。体重は32~40キロで四足歩行し、後ろ足で立ち上がったり後ろ足だけで歩行することが可能であったと見られる。

 今回の発見で、ジュラ紀初期に竜脚形亜目の恐竜が広く生息していたことが確認できたという。

 Seitaadはまた、ジュラ紀後期に大地をかっ歩していたディプロドクス、アパトサウルス、ブラキオサウルスなど首と尾が長い巨大恐竜の祖先にあたるという。

 セルティッチ氏によると、Seitaadの化石は砂丘で保存されていたが、当時の砂漠には、こうした小型恐竜などの動物の生命維持に必要な十分な植物が生えた湿った地域も含まれていたはずだという。ただ、「ユタ州の古代の『砂海』での生活は、今日の砂漠におけると同様、困難であったはずだ」とも指摘している。(c)AFP