【2月5日 AFP】中国のジュラ紀後期(約1億5000万年前)の地層から見つかった背丈わずか12センチの小型羽毛恐竜、アンキオルニス(Anchiornis)の化石から、全身の色を推定することに成功したと、米エール大(Yale University)などの研究チームが5日の米科学誌サイエンス(Science)電子版に発表した。

 チームは、化石から採取した29か所の羽毛を顕微鏡で観察し、メラニン色素を含んで色を現出させるメラノソームを、現生鳥類の羽毛のメラノソームのデータと比較。アンキオルニスの羽毛の色を90%の確度で推定したという。

 研究では、アンキオルニスの身体は暗い灰色で、顔には赤褐色の斑点があり、翼の一部は白かったなど、ほぼ全身の色や模様を再現できた。足の色のパターンは現生のSpangled Hamburg種のニワトリに極めて似ており、仲間とコミュニケーションしたり相手を誘うのに役立っていたと考えられる。 

 この研究は、恐竜の初期の羽は飛行以外の目的で進化したとする説を裏付けるものだ。

 前月には、中国で見つかった白亜紀前期(約1億2500万年前)の小型肉食恐竜シノサウロプテリクス(Sinosauropteryx)の化石の羽毛に赤褐色の色素を発見したとする論文が英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。分析には、今回と同様の手法が用いられた。(c)AFP

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