【12月20日 AFP】人類はこれまで考えられていたよりもずっと昔からシリアル(加工穀物食品)を食べる習慣があったという論文が、18日発行の米科学誌「サイエンス(Science)」に掲載された。

 これまで人類が野生の穀物を食べ始めたのは最後の氷河期の末期である約1万2000年前だと考えられていた。

 しかし研究論文の執筆者、カナダのカルガリー大学(University of Calgary)のジュリオ・メルカデール(Julio Mercader)氏(考古学)は、モザンビークのニアッサ湖(Lake Niassa)付近にある鍾乳洞の奥深くで、10万年以上前の中石器時代の石器、動物の骨、植物の遺物を発見した。

 石器や骨に無数のでんぷん粒が付着していたことから、野生のソルガム(モロコシ)が鍾乳洞の中に運び込まれ体系的に加工されていたことが分かった。これは人間が穀物類を加工していたことを示す最古の証拠だとメルカデール氏は主張している。

 現在ソルガムは、粉にしたり、パンやポリッジ(水などで粥状に煮たもの)、アルコール飲料に加工したりして消費され、アフリカのサブサハラ(サハラ砂漠以南の地域)の主食になっている。(c)AFP