【11月2日 AFP】3億1500万ユーロ(約420億円)の予算を投じて開発され、地球温暖化が陸地や大気、海洋の水循環に及ぼす影響を測定する人工衛星が2日未明、ロシア北部のプレセツク(Plesetsk)宇宙基地から打ち上げられた。欧州宇宙機関(European Space AgencyESA)が発表した。

 SMOS(Soil Moisture and Ocean Salinity Mission:土壌水分と大洋塩分測定衛星)は、地表上の土壌の水分や、海洋の塩分濃度を宇宙から初めて観測する。

 専門家らによれば、同衛星は異常気象の予測や、ほぼリアルタイムの天気予報をより正確にするのにも役立つという。

 SMOSは密接に関連した2つのミッションを行う予定。ミッションの1つは、地中深さ1~2メートルの土壌水分を3日おきに計測するというもので、短中期的な気象予報を向上させるとともに、地球上の植物の光合成や成長を監視する。

 もう一方のミッションは、海洋表面の塩分濃度の測定で、海洋の循環パターンの理解に役立てられる。

 これらのデータは、MIRAS(Microwave Imaging Radiometer using Aperture Synthesis、合成開口型マイクロ波イメージング放射計)と呼ばれる装置で計測される。

 ミッションは3年間の予定で、2年間延長する可能性もある。

 欧州宇宙機関は2日、人工衛星「Proba-2」も打ち上げた。人工衛星の最新技術の実証試験をする。

 Proba-2には、新型のリチウムイオン電池や、新型の電源管理・データー管理システム、2周波衛星利用測位システム(GPS)受信機、試験的な太陽光パネル、探査用のマイクロカメラなど多数の新技術が搭載されている。

 また、Proba-2は太陽観測や宇宙の天気に関連した実験も実施する。(c)AFP/Marlowe Hood