【10月28日 AFP】米航空宇宙局(NASA)の火星探査機「マーズ・リコネサンス・オービター(Mars Reconnaissance OrbiterMRO)」の高解像度カメラ「HiRISE」が撮影した、火星表面の写真。明るい色をした地形の上を、黒くねじれたようなものが縦横無尽に走っている。

 できたてに見えるこのような跡は、かつては大きな謎だったが、現在では、火星表面で起こる小さな旋風のしわざであることがわかっている。「火星のダストデビル」の異名を持つこの旋風の継続時間は、通常わずか数分間。赤いちりを巻き上げ、色が濃く比重が重い砂だけが表面に残るので、視覚的に確認することができる。

 このダスト・デビルは、火星探査機のソーラーパネルをきれいにそうじしてくれるという意外な一面も持っていると考えられる。

 地面に熱せられた大気が渦を巻きながらまっすぐ上昇していく現象は、地球でも、乾燥地帯や砂漠地帯で頻繁に観測される。(c)AFP