【9月4日 AFP】米航空宇宙局(NASA)の宇宙望遠鏡「ケプラー(Kepler)」は太陽系外に存在する衛星も発見できるとする論文が3日、英国王立天文学会(Royal Astronomical SocietyRAS)が発行する専門誌「Monthly Notices」で発表された。

 太陽系外の地球型惑星を探査するため、今年3月に打ち上げられたケプラーは、今後3年間で、10万個以上の星を観測し、光度の変化などを調査する計画だ。

 1995年に初めて太陽系外惑星が発見されて以来、これまでに358個の系外惑星が確認されているが、地球との比較対象に値するものは1つもない。全てが木星に似た巨大なガスの塊で、生命の源となる水は存在し得ないからだ。

 一方、今回の論文は、太陽系外の惑星のみならず、生命が育まれる環境を持つ地球に似た衛星を発見する能力が、ケプラーにはあると指摘している。

 英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University College LondonUCL)の研究チームは、こうした地球型衛星が発すると推定される信号強度を、ケプラーの装置の特性と比較。その結果、ケプラーは地球の大きさの5分の1程度の小さな衛星も検出可能であることがわかった。

 研究を主導したデービッド・キッピング(David Kipping)氏は、「はるか宇宙の彼方に、生命体を持つ衛星を発見できる可能性が、今回、初めて示された。こうした衛星が数千や数百万個も存在するかもしれない。われわれは、そうした衛星探査に向けたスタート地点にいる」と、期待をこめて話す。(c)AFP