【8月4日 AFP】歯のもとになる組織をマウスの歯茎に移植して歯を再生させることに世界で初めて成功したと、東京理科大、東北大、東京医科歯科大などのチームが3日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)電子版に発表した。

 東京理科大(Tokyo University of Science)の池田悦子(Etsuko Ikeda)氏率いる研究チームは、歯の形成に必要な細胞と情報を含んだ「歯の種」である遺伝子を作成し、これを成体マウスの顎骨に移植した。

 移植は、失った歯の跡に繰り返し行われたが、歯はほぼ規則正しく再生された。再生された歯は食べ物を噛める硬さだという。 

 この成果は、既存の研究を応用したもので、立体的で機能する臓器の形成を目指す。

研究チームは、病気やけが、加齢により損傷または失われた臓器も、今回の手法を用いれば、完全に再生できるようになるのではと期待を寄せている。(c)AFP