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自力で生き続けるロボットの実現まであと一歩、ネズミ型ロボットが完成

  • 2009年06月10日 17:31 発信地:パリ/フランス
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パリのEuropean Research & Innovation Exhibition(欧州における研究と発明の展覧会、SERI)で展示されたネズミ型ロボット「プシーカルパクス(Psikharpax)」(2009年6月4日撮影)。(c)AFP/PIERRE VERDY

【6月10日 AFP】フランスのインテリジェントシステム・ロボティクス協会(Institute for Intelligent Systems and RoboticsISIR)の研究員、アグネス・ギロ(Agnes Guillot)さんは、巨大な白いネズミ「プシーカルパクス(Psikharpax)」が研究室の中を自由に走り回れるようになることを夢見ている。

 ホメロス(Homer)の叙事詩の中に登場するずるがしこいネズミの王様の名前が付けられたこのロボットは、前週にパリ(Paris)で公開された。ISIRが中心となって開発されたロボットには、人工知能の境界線を広げるという期待が込められている。

■ネズミ型にした理由

 反復動作やあらかじめプログラミングされた動作以上のことができるロボットを作ろうというプロジェクトは、数十年前に開始された。こうした動作は車の製造ロボットや子どもを楽しませるためのロボットであれば申し分ないが、実生活ではほとんど何の役にも立たない。「今日のロボットの自立性は昆虫程度です」とギロさんは語る。

 最大の障壁は、学習能力をどう実現させるかだった。危険や状況を把握できる知性を持たないロボットは、人の助けがないと役に立たない。

 最初は、複雑で高度な人間の知性をそっくり再現するよりも、人間が動物と共有している単純な能力から再現していくのが望ましいということになった。この能力は、目的地へ行く、食べ物を探す、危険を回避するといったようなものだ。

 そして、人類が誕生したころから身近な存在であったネズミをロボットで再現することが決定された。ネズミは、脳の構造が人間のそれと類似し、さらに科学者にとって最もなじみのある動物だ。

■自分で考え行動するロボットを目指して
 
 ネズミ型ロボットは英米などの研究所でも製作されている。たとえばメキシコ自治工科大学(ITAM)は2年前、ソニー(Sony)のイヌ型ロボット「アイボ(Aibo)」に、ネズミの動きをまねさせるソフトウェアを組み込んだ。

 だがISIRの研究者らは、「プシーカルパクス」は生態模倣、センサーの精巧さ、制御性、ネズミの神経学に基づいたソフトウェアなどの点で他を圧倒すると考えている。

 このロボットは両目にカメラ、両耳にマイクを装着している。足元には小さな車輪が付いており、電池駆動のモーターで移動する。

 特許を獲得した「鼻毛」が、生きたネズミの神経系の主な部分を再現しようと試み、顔の両側にびっしり生えた長さ約12センチのひげが障害物を感知する。

 こうした器官から得られたデータは「脳」であるチップに送られる。このチップのソフトウェア・ヒエラルキーはネズミの脳の構造を模倣しており、見たもの・聞いたもの・感じたものを処理・分析する。

 たとえば、目が「暗さ」を感知すると、夜のネズミが視野の喪失を補おうとほかの感覚を研ぎすませるのと同様に、ソフトウェアはひげから得られるデータの重要度を上げる。

 だが、当初計画されていた臭覚については、複雑すぎたために組み込まれなかった。

 このロボットの最終目標は、新しい環境に放置しても、人が近くにいるなどの危険を察知し、食事を自分で探し、電池の充電も自分で行うなどして自力で「生き残って」もらえるようにすることだ。(c)AFP/Annie Hautefeuille

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