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iPS細胞の安全な作製手法を開発、来年に臨床試験へ

  • 2009年05月29日 11:14 発信地:シカゴ/米国
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ブラジル・サンパウロ(Sao Paulo)の研究所で、顕微鏡を通して見た胚(はい)性幹(ES)細胞(2008年3月5日撮影、資料写真)。(c)AFP/Mauricio LIMA

【5月29日 AFP】米研究機関「Stem Cell & Regenerative Medicine International(幹細胞と再生医療に関する国際研究所)」とハーバード大学(Harvard University)は28日、皮膚細胞から安全に幹細胞を誘導する方法を開発したと発表した。万能細胞の臨床用途としての可能性が一段と高まったことになる。

 研究チームは、細胞に浸透するペプチドを用いて遺伝子を融合させるという手法で、遺伝子を誘導することに成功した。この手法だと、遺伝子突然変異のリスクはないという。

■これまでの人工多能性幹細胞(iPS細胞)生成技術

 研究は、山中伸弥(Shinya Yamanaka)京都大(Kyoto University)教授が2007年に開発した画期的技術をベースにしている。教授のチームは2007年、皮膚細胞に4種類の遺伝子を導入するだけで、iPS細胞を生成する技術を開発した。

 これにより移植材料をほぼ際限なく作製できるという可能性が開けた。しかも、胚(はい)由来の細胞は一切必要としないため、倫理的な問題もクリアできると考えられている。

 だが、従来のiPS細胞の作製にはウイルスを使用するという負の側面があった。ウイルスを使って細胞を再プログラミングすると、DNAが異常を起こしてがん化、または遺伝子が変異しやすくなると指摘されていた。

 これまでにも、DNAトランスフェクションと呼ばれる手法や化学洗浄を用いて遺伝子導入に成功した例はあったが、いずれも健康被害をもたらす可能性があった。

■来年には臨床試験を実施

 今回開発された手法は、iPS細胞の作製に従来の2倍の時間がかかるというが、研究を主導したロバート・ランザ(Robert Lanza)氏は、タンパク質の純度を上げることで誘導効率は上がると自信を見せている。来年半ばごろまでに臨床試験を開始したいとしている。

 研究の詳細は、米科学誌「セル・ステムセル(Cell Stem Cell)」電子版に掲載されている。(c)AFP/Mira Oberman

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