【5月25日 AFP】ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space TelescopeHST)の修理ミッションを終えたスペースシャトル「アトランティス(Atlantis)」は24日午前8時40分(日本時間25日午前0時40分)、米カリフォルニア(Calfornia)州のエドワーズ空軍基地(Edwards Air Force Base)に完璧な着陸で帰還した。

 アトランティスは11日、7人の飛行士を乗せて打ち上げられた。5回の困難な船外活動でハッブル望遠鏡の修理や観測機器などの更新を行い、同望遠鏡は少なくともあと5年稼働できるようになった。望遠鏡は21日、アトランティスから離れ再び軌道に投入された。3週間ほどで最古の銀河や、謎に満ちた暗黒物質(ダークマター)、惑星が生まれる過程などの観測を再開する見通し。

 3回の船外活動を行った元天文学者のるジョン・グランスフェルド(John Grunsfeld)宇宙飛行士は飛行中に、「歴史を通じておそらく最も重要な科学装置」とハッブル望遠鏡を称賛した。

 飛行は11日間の予定だったが、帰還予定だったフロリダ(Florida)州の気象条件が悪かったため着陸を3日間遅らせていた。天候が回復せず、燃料などは25日に切れることになっていたため着陸地を変更した。

 米航空宇宙局(NASA)の規則では着陸予定時間の1時間半前に着陸の可否を最終的に判断することになっている。シャトルはいったん高度を下げ始めると再び高度を上げられないため、着陸を始めるとやり直すことができない。着陸するには雲量50%未満、視程8キロ以上、横風7メートル未満などいくつかの条件がある。

 フロリダに着陸していれば、スペースシャトルをフロリダのケープカナベラル(Cape Canaveral)にボーイング747(Boeing 747)で運ぶ200万ドル(約1億9000万円)の費用が節約できるはずだった。

 今回の飛行は1981年のスペースシャトルの初飛行から数えて126回目の飛行だった。スペースシャトルは2010年9月に退役が予定されている。(c)AFP