【5月15日 AFP】米航空宇宙局(NASA)のスペースシャトル「アトランティス(Atlantis)」の宇宙飛行士らは14日、ハッブル宇宙望遠鏡の修理のための1回目の船外活動を行い、7時間20分かけてメインカメラとデータ処理装置、ドッキング装置を交換した。

 船外活動は、ハッブル望遠鏡への飛行3回目となるジョン・グランスフェルド(John Grunsfeld)飛行士(50)と、これが初の船外活動となる地質学者のドリュー・フューステル(Drew Feustel)飛行士の2人が担当。予定よりもやや長い時間をかけて、設置16年が経過した広角惑星カメラ2(Wide Field and Planetary Camera-2WF/PC2)を、より高性能のワイドフィールドカメラ3(Wide Field Camera-3WFC3)に交換した。ハッブルの機器交換は7年ぶり。

 新型のWFC3カメラは、可視光線だけでなく、紫外線や赤外線の観測も可能。太陽系惑星の調査に加え、初期宇宙の星系の観測など最先端の宇宙探索に使用される。

 アトランティスの宇宙飛行士らは今回のミッションで、さらに4回の船外活動を行い、バッテリーとジャイロスコープ(姿勢制御装置)を交換するほか、装置内部の故障と外部保護シールドの修理をする。

 修理が成功すれば、ハッブルは少なくとも今後5年は継続運用が可能になるとされ、今回設置する新型の機器によって最深宇宙の探索やダークマター、ダークエネルギーの謎の解明、太陽系外惑星の形成に関する研究などへの貢献が期待されている。(c)AFP/Mark Carreau