【3月18日 AFP】7500万年前の北米大陸に、小型のニワトリと同じくらいの大きさの肉食恐竜が存在していたとする研究の結果が、カナダ・カルガリー大学(University of Calgary)の古生物学者らによって明らかにされた。

 この小型恐竜は「Hesperonychus elizabethae」と名付けられた。外見はヴェロキラプトル(Velociraptor)に似ており、北米に生息していたとされている肉食恐竜の中で最も小型のものだという。

 Hesperonychusは体重が約2キロ、体高が約50センチで、映画『ジュラシック・パーク(Jurassic Park)』で有名な素早く凶暴なヴェロキラプトルと同様、2足歩行をし、カミソリのように鋭い歯と大きなかま型のつめを持っていたという。

 また、Hesperonychusは、白亜紀後半の北米でよく見られた森や沼などに住む、昆虫やほ乳類、両生類、さらに、恐らくは恐竜の子どもなども食べていたとみられている。

 Hesperonychusの化石は、1982年、恐竜の化石が多数発見されることで有名なカナダ・アルバータ州の州立恐竜自然公園(Dinosaur Provincial Park)など数か所で発見された。だが、それらの化石については、2007年まで研究が行われなかった。

 この小型肉食恐竜に関する研究結果は、カルガリー大学のNick Longrich氏とアルバータ大学(University of Alberta)のPhilip Currie氏の2人の古生物学者が共同で執筆し、16日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)で発表された。(c)AFP/Jean-Louis Santini