【3月16日 AFP】(一部更新、写真追加)日本人宇宙飛行士、若田光一(Koichi Wakata)さんら7人を乗せた米スペースシャトル「ディスカバリー(Discovery)」は、現地時間15日午後7時43分(日本時間16日午前8時43分)、フロリダ(Florida)州ケープカナベラル(Cape Canaveral)のケネディ宇宙センター(Kennedy Space Center)から打ち上げられ、数分後に予定の軌道に乗った。

 国際宇宙ステーション(International Space StationISS)到達まで2日かかる予定で、その後「ディスカバリー」で運んだ太陽電池パネル1組をISSに設置する。今回の太陽電池パネル増設は10年以上におよぶISS建設作業のなかでも最大の任務の1つ。4回目となる今回の設置作業が成功すればISSの太陽電池は完成する。ISSの最初の構成要素は1998年11月に打ち上げられた。ISSの総工費は約1000億ドル(約9兆8000億円)に上る。

 当初、「ディスカバリー」の打ち上げは11日(日本時間12日)の予定だったが、水素ガス漏れが発見され打ち上げが延期されたため、ミッションの日程は1日短縮される。

 米航空宇宙局(NASA)によると、ISS最後の主要構成要素となる「S6トラス」の取り付けが終了すればISSの完全稼働体制が整い、現在の2倍の6人の宇宙飛行士が常駐できるようになる。

 太陽電池パネルは宇宙飛行士2人による4回の船外作業で設置される。1回の船外活動に6時間以上かかる予定。2枚1組の太陽光パネルは、1枚の長さが35メートルで、太陽電池セル3万2800個が組み込まれている。

 全パネルが設置されれば現在90キロワットのISSの発電電力は約50世帯分の電力に相当する120キロワットに増強される。これにより、ISSや欧州実験棟「コロンバス(Columbus)」や日本の「きぼう(Kibo)」などで1年前から行っている科学実験も拡充できる。

 今回のミッションで、若田さんはISSに4か月前から滞在中の米国のサンドラ・マグナス(Sandra Magnus)飛行士と交代してISSに滞在する。日本人のISS長期滞在は若田さんが初めて。(c)AFP