【3月4日 AFP】エジプト考古最高評議会は3日、早稲田大学(Waseda University)の考古学チームが、首都カイロ(Cairo)南部郊外のサッカラ(Saqqara)遺跡で、3000年前の「高貴な女性」の墓を発掘したと発表した。

 同チームは、紀元前1304年から1237年まで68年にわたりエジプトを統治した第19王朝ラムセス2世(Ramses II)の孫娘、イシスノフレト(Isisnofret)の墓とみている。

 墓に埋められていた石灰岩でできたサルコファガス(石棺)には、イシスノフレトの名前と「高貴な女性」との身分が描かれている。また、ミイラ3体や副葬品なども一緒に埋められていたという。

 チームを率いる早稲田大学客員教授の吉村作治(Sakuji Yoshimura)によると、イシスノフレトの墓は、同チームがラムセス2世の息子、カエムワセト(Khaemwaset)王子の墓を発掘したのと同じサッカラ遺跡から発見されており、その近接性や、カエムワセト王子にはイシスノフレトという名前の娘がいたことからも、王子の娘の墓である可能性が高いという。

 一方、評議会のザヒ・ハワス(Zahi Hawass)事務局長はAFPに対し、建築様式からこの墓を第18王朝のものとみており、さらに古代エジプトにはイシスノフレトという名前の女性が多数いたため、「名前の類似性」については否定的な見方を示した。(c)AFP