【1月16日 AFP】米航空宇宙局(NASA)の研究チームが15日の米科学誌「サイエンス(Science)」に火星で大量のメタンガスの噴出を確認したとの研究論文を発表した。地質学的あるいは生物学的な活動を示している可能性があるという。

 NASAゴダード宇宙飛行センター(Goddard Space Flight Center)のマイケル・ムンマ(Michael Mumma)博士率いるチームは、3火星年(地球の7年に相当)にわたり、赤外線高分散分光装置を使用して火星の地表の90%を観察してメタンガスの噴出を確認した。

 研究によるとメタンガスの存在は火星で地質学的あるいは生物学的な活動が活発に起きている可能性を示唆しているという。地球上では、メタンガスの90%は生物に由来し、地化学的活動に由来するものは10%程度だという。

 また、火星で観測されたメタンガスの量は、地球の活発な活動をしている場所で観測される量に相当する。研究チームは大規模なメタンガス噴出の1つには1万9000トンのメタンガスが含まれていたと推定しているが、これは米カリフォルニア大学サンタバーバラ校(University of California, Santa Barbara)に隣接するコール・オイル・ポイント自然保護区(Coal Oil Point Reserve)で、大量の炭化水素がににじみ出ている場所から出るメタンガスの量とほぼ同等だという。

 チームは、火星のいくつかの場所でメタンガスの排出量が季節ごとに変動することを確認しているが、メタンガスの発生源やそれが生成された年代については依然として不明だという。(c)AFP