【12月30日 AFP】もしあなたが2008年が終了する瞬間を目撃したいというのならば、注意した方がいい。各国の時間を管轄する機関は、31日にうるう秒を挿入し、今年を1秒だけ延長することを決定しているからだ。

 うるう秒の挿入は、パリ(Paris)にある国際地球回転事業(International Earth Rotation and Reference Systems ServiceIERS)が権限をもっているが、軽々しくできることではない。軌道上を秒速数キロで周回する人工衛星やインターネット、衛星利用測位システムなどは、正確な時間に基づき運用されているからだ。

 IERSのトップを務めるダニエル・ガンビス(Daniel Gambis)氏は今年7月、各国の担当機関に書面でうるう秒の挿入を通達した。同氏はAFPに対し、「前回のうるう秒挿入は2005年で、今年の次は2012年か2013年だ」と語った。

 うるう年は、地球が365日と6時間で太陽の周りを公転しているため、4年に一度挿入される。だが、うるう秒の挿入は必要に応じてその都度、厳密に挿入されるという。今年は、うるう秒が導入された1972年以来、24回目の挿入となる。

 うるう秒の挿入は、1日あたり10億分の1秒まで正確な原子時計に基づく時刻と、地球の不完全な自転速度に基づく時刻の、2つの異なる時間の尺度を調整するために必要なことだという。

 地球の自転が太陽や月の重力や潮の干満、太陽風、宇宙塵(じん)、磁気嵐など、細かな変化の積み重ねに影響を受けるため、この2つの時刻は同期しなくなるのだという。また、氷山の融解も地球の自転に影響を与えることから、地球温暖化もうるう秒挿入の背景の1つにある。

 こうしたことから、グリニッジ標準時(Greenwich Mean TimeGMT)、もしくは協定世界時(Coordinated Universal TimeUTC)の31日午後11時59分59秒の直後に、世界各国の時計にはもう1秒追加されることになる。(c)AFP