【7月1日 AFP】選挙への投票などさまざまな政治行動に、遺伝子が影響している可能性がある。このような研究結果が、前週発行された米政治学誌「アメリカン・ポリティカル・サイエンス・レビュー(American Political Science ReviewAPSR)」に発表された。論文によると、投票の意思は遺伝されるという。

 研究を行ったのは、カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California, San Diego)の政治学者2人と心理学者1人のチーム。選挙への献金、公職への立候補、集会への参加なども、遺伝子の構造に影響されると結論付けた。

 チームの1人、ジェームズ・ファウラー(James Fowler)教授(政治学)は、「政治行動における遺伝子の役割について何らかの発見ができるだろうと期待していたが、その影響の規模と範囲に驚かされた」と語った。

 研究では、ロサンゼルス(Los Angeles)で396組、全米のほかの地域で806組、計約1200組の双子を対象に、選挙での投票の意思の有無を調べた。その結果、半数以上(53%)で遺伝子が重要な要因となっていることが明らかとなった。

 チームは「人間関係などの環境要因を考慮に入れても、政治への参加の差異は大部分が個々人の遺伝子によって決定されている」とまとめた。

 ただし、遺伝子と政治への参加を関連付ける具体的なメカニズムについては不明であり、さらなる研究が必要だとしている。(c)AFP