【6月17日 AFP】(一部更新)欧州の天文学者のチームは16日、フランス・ナント(Nantes)で行われた天文学会議で、5つの「スーパーアース(巨大地球型惑星)」を発見したと発表した。いずれも地球の4-30倍の大きさで、3つの太陽系に属している。

 今回の発見から、太陽に似た恒星のうち少なくとも3分の1(従来予測の約5倍)において、こういった発見の難しい惑星が存在すると考えられるという。またこの発見は、太陽系外で、地球に生命をもたらしたのと同様の環境を持ち得る惑星を発見する上でも貢献するとみられる。

 研究チームの1人、スイスのジュネーブ天文台(Geneva Observatory)のStephane Udry研究員は「1、2年内に(太陽のような)小さい星の周りを回る、居住可能な惑星が見つかるだろう」と話す。

 報告によれば、発見された5つのスーパーアースのうち3つは、それぞれ地球より4.2、6.7、9.4倍大きく、約42光年(1光年は約9兆5000億キロ)離れた恒星「HD 40307」の周りをおのおの4.3、9.6、20.4日の周期で公転している。

 公転周期の短さは、スーパーアースの発見を容易にする一方で、生命体が生息できないガス状の惑星である可能性が高いことも示す。

 今回の天文会議ではまた、1995年の発見以来、太陽系外惑星がこれまでに280個以上観測されたことも明らかにされた。次世代の高性能観測装置により今後、系外惑星は続々と発見されるとみられる。

 今回発見された5つのスーパーアースはいずれも、HARPS(高精度視線速度系外惑星探査装置)で観測された。HARPSは分光計を搭載した全長3.6メートルの望遠鏡で、チリのアタカマ砂漠(Atacama Desert)南端、ラ・シーヤ(La Scilla)山の天文台に設置されており、2004年の観測開始以来、45個のスーパーアースを発見していることから「プラネットハンター」とも呼ばれる。(c)AFP