【4月25日 AFP】韓国ソウル大学(Seoul National University)の研究チームがクローン犬の人工受精に成功した。コリアタイムズ(Korea Times)紙が25日、同大の李柄千(イ・ビョンチョン、Lee Byung-Chun)教授の話として伝えた。

 これによると、研究チームはアフガンハウンドのクローン犬「スナッピー(Snuppy)」の精子で同じアフガンハウンドのクローン犬のメス2頭を人工授精させ、2頭を妊娠させることに成功した。

 クローン同士の親から生まれる動物の胎児は発育障害などを発症する場合が多いが、超音波検診ではクローンアフガンハウンドの胎児は順調に発育しており、2頭とも5月16日から20日の間に出産する予定だという。出産すれば世界で初めてのケースとなる。

 一方、大学側は李教授が研究結果を論文発表する前に報道陣に発表したとして、遺憾の意を示している。

 同大の鞠ヤン(クッ・ヤン、Kook Yang)研究所長は、李教授の行為は大学の規則に違反しており、処分を検討していることを明らかにした。

 ソウル大では黄禹錫(ファン・ウソク、Hwang Woo-Suk)元教授の幹細胞研究に関する論文の捏造が発覚して以来、学術論文を発表する前に報道陣に研究内容を公開することを禁止している。

 黄元教授と共に研究を行っていた李教授だが、2006年に黄元教授が研究費横領や倫理違反容疑などで起訴された後は独自の研究チームを率いて研究を続けてきた。黄元教授の公判は現在も続いている。(c)AFP