【3月12日 AFP】米航空宇宙局(NASA)のスペースシャトル「エンデバー(Endeavour)」の11日の打ち上げ直後、機首付近に正体不明の物体が衝突した可能性があるため、乗り込んだ飛行士らは12日、同機の耐熱シールドを点検した。NASAでは衝突したと思われる物体について特定できていない。

 米テキサス(Texas)州ヒューストン(Houston)にあるジョンソン宇宙センター(Johnson Space Center)の管制センターでは、監視カメラが離陸から10秒後にとらえた物体の正体や大きさについて、「推測に基づく発表は一切行わない」としている。また実際に機体に衝突したかどうかもはっきりしていない。

 NASAのフライト・ディレクター、Mike Moses氏は報道陣にビデオ映像を公開した後、「軌道船(エンデバー)のものではないようだ。軌道船自体にぶつかったかどうかも分からない」と述べた。また「何であるか、わたしには見当がつかない」と述べ、詳細な分析は専門家が行うと強調した。専門家らは多角的にとらえたビデオ映像に基づいて軌道解析を行い、物体がどこから現れたのか分析するという。

 Moses氏は、物体が機首に衝突していたとしても、離陸10秒後の時点では速度が出ていないため、機体が大きく損傷を受けることは考えにくいと語った。これまでのところ重要な問題は見つかっていないが、12日中には機体の状態について具体的な情報が得られるとの見通しを示した。(c)AFP