ドイツのミュンヘン(Munich)で開催された世界最大規模のビールの祭典「オクトーバーフェスト(Oktoberfest)」でビールを飲む人々(2007年10月2日撮影)。(c)AFP/DDP/TIMM SCHAMBERGER
【3月1日 AFP】「酒を飲めば嫌なことは忘れられる」―。古くから信じられてきたことだが、実際には嫌なことを忘れようとして飲酒すると、よけいに忘れられなくなるという。
2月29日発売の米科学ジャーナル誌「Neuropsychopharmacology」に掲載された、東京大学(University of Tokyo)の松木則夫(Norio Matsuki)教授(薬理学)らの研究チームが行った実験の結果によると、アルコールに含まれる酔わせる成分のエタノールは、広く信じられているように記憶の低下を招くのではなく、むしろ記憶を定着させるという。
研究チームが実験では、ラットを恐怖状態にするため軽度のショックを与えた。その結果、ラットは恐怖で動けなくなり、かごに入れられると体を丸めた。
その直後、一部のラットにはエタノールを、別のラットには生理食塩水を注射した。この結果、エタノールを注射したラットは、食塩水を注射したラットと比較してより長く、平均2週間は恐怖で動けないままだった。
実験結果によれば、これを人間の場合に当てはめて考えると、嫌な記憶を取り除き、一時的に楽しい気分を味わおうとして飲酒しても、その記憶は鮮明に残なり、さらに翌日にはその時感じた楽しい気持ちは忘れてしまっているという。
松木教授は、この研究結果は嫌な記憶を抱えたまま生活している人々に教訓を与えたと指摘する。
つまり、「酒を飲まずに、嫌な記憶に楽しい記憶を上書きしてしまう」のが最善策だという。(c)AFP
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