【1月3日 AFP】(1月6日 一部訂正)地球から180光年の距離にある若い恒星を研究した結果、恒星の誕生からわずか数百万年後に惑星が誕生する可能性があることが分かった。この研究結果は3日の英科学誌「ネイチャー(Nature)」に掲載される。

 研究を行ったのは、ドイツのハイデルベルク(Heidelberg)にあるマックス・プランク研究所(Max Planck Institute)のインドネシア出身の天文学者、 Johny Setiawan氏率いる研究チーム。

 研究チームは「TW Hydrae」と呼ばれる恒星の周回軌道を回る巨大ガス惑星を発見した。この惑星は木星の5.5-13.1倍の質量で、恒星からわずか60万キロの距離しか離れていない。恒星の周囲を1回りするには、地球時間で3.5日しかかからない。

 この恒星が発する光から、この恒星は800-1000万年前にできたと推定されている。つまりガス円盤が分散する前に、その惑星が形成された可能性があることを示している。 
 
 恒星が形成されたあとの残がいのガスとちりが凝集して惑星が誕生するというのが現在主流の学説だが、その過程に要する時間については論争が続いている。

 地球は約45億年前、つまり太陽の誕生の約1億年後に誕生したと考えられていた。ところが、地球以外の太陽系の惑星のいくつかの観測結果は、惑星誕生にかかる時間ははるかに短い可能性があることを示している。地球のように表面を岩石で構成されている惑星ではなく、巨大なガス状の惑星の場合は特にその可能性が高い。

 太陽系外惑星が初めて発見されたのは1995年。Extrasolar Planets Encyclopaediaによると、これまでに発見されている太陽系外惑星は270個。そのほとんどが周りを回っている惑星の重力作用で起こる主星の動きの微妙なゆらぎ(wobble)を観測することで、間接的に発見されている。(c)AFP