【11月24日 AFP】(26日写真追加)欧州連合(EU)は23日、破たんの危機に陥った衛星利用測位システム「ガリレオ(Galileo)」計画の救済に、24億ユーロ(約3860億円)の予算拠出を承認した。うち16億ユーロはEU農業助成金の未使用分を充てるという。

「ガリレオ」計画は、30基の衛星ネットワークが発する電波信号をユーザーが地上で受信し、地上での正確な位置と時間を知るシステム。関係する専門家は、同分野で米が主導するグローバル・ポジショニング・システム(global positioning systemGPS)と比較し、「ガリレオ」が精度と信頼性で勝っていると主張している。

 GPSと競合して欧州の技術面での優位性を示すはずの同計画は、各方面でコストがかさみ、出資した民間企業が不満を唱える一方、EU加盟国も自国の利益を優先したことから、破たんの危機に瀕していた。

 当初は2008年に予定されていた衛星の打ち上げは、新計画では2013年に延期された。(c)AFP