【10月5日 AFP】米ジョンズホプキンス大学(Johns Hopkins University)の科学者らは4日、424光年離れた場所に地球に似た惑星が形成されているのを発見したと発表した。

 同大学応用物理研究所のCarey Lisse博士によると、発見された惑星系は誕生してから1000万年から1600万年とみられる。非常に若いものの、地球に似た惑星を形成するには理想的な時期にあるという。

 惑星系の星2つのうち生命生存可能領域にある1つをダストの環が囲んでおり、将来的にはその星で水が発生する可能性がある。太陽に似た恒星の周りでこの種のダストの環が形成されることはまれで、氷帯の存在によって、水やそれに続く生命体が発生する可能性がある。

 スピッツァー宇宙望遠鏡(Spitzer Space Telescope)にとらえられた映像は424年前のものだが、惑星にとってはまばたきほどの短い時間でしかない。この惑星の形成が完成するにはあと1億年、さらに藻などの生命体が発生するには10億年の時間が必要だと、Lisse博士はみている。また、この惑星が地球に似た進化をとげるとすれば、恐竜などの複雑な複合生物が現れるまでには、そこからさらに20億年ほどかかるとされる。

 同博士によると、撮影された画像によって地球に似た惑星が形成する過程がより明らかになったという。この惑星系だけでなく、別の発展段階にある地球に似た惑星を探査することにより、研究のさらなる発展が期待されている。

 この惑星系は現在、HD113766の名称で呼ばれているが、名前をつける予定は今のところないという。

 研究結果は来週、American Astronomical Societyの宇宙科学部門で発表されるほか、次号のAstrophysical Journalに掲載される予定。(c)AFP/Mira Oberman