【8月21日 AFP】大阪大学(Osaka University)の研究チームが、奥歯を噛みしめて音楽プレーヤーの操作ができるヘッドギアを開発した。いずれ満員電車の中で、バッグやポケットの中を探らなくてもiPodのような機器が操作できるようになるかもしれない。

 この装置は赤外線とマイクロコンピューターを利用。頭に装着して約1秒間、奥歯をかみしめると、コンピューターが信号を受信する。1秒という長さはガムをかんだり会話などで歯を使う動作と区別するために必要だという。

 研究室では右の奥歯をかみしめて携帯音楽プレーヤーの再生と停止、左の奥歯をかみしめて次の曲にスキップすることに成功した。研究チームはこの装置を音楽プレーヤーに応用して商品化するほかにも、携帯電話や車いすなどへの応用も可能だと考えている。

 研究チームを率いる宮崎文夫(Fumio Miyazaki)教授はAFPの電話インタビューで、このヘッドギアを使えば、手を使わずに機器操作ができるので、満員電車で携帯電話を操作したいときや、身体障害のある人が車いすを操作する時に便利だと思うと語った。

 同研究チームの谷口和宏(Kazuhiro Taniguchi)氏は、特に満員電車の中などで、iPodや携帯電話のスイッチを操作するのに、いちいち手を使わなければならないのが煩わしいと感じていたと話す。

 ヘッドギアは食べ物をかむ力があれば誰でも操作でき、差し歯や入れ歯など人工の歯でも利用できる。

 音楽プレーヤー以外の用途として、プレゼンテーションソフトで作成した資料をめくることもできるという。発表者はボタンを押す代わりに奥歯をかみしめて操作できるため、自由な身振り手振りが可能になる。(c)AFP