【8月15日 AFP】交流サイト(SNS)、フェイスブック(Facebook)を利用する若者たちは他人とのつながりは強く感じているが幸福感は低い──つまり、フェイスブックの利用者が増えるほど気分は沈みがちになるとの調査結果が14日、米オンライン科学誌「プロスワン(PLoS ONE)」に発表された。

 米ミシガン大学(University of Michigan)の調査チームは、スマートフォン(多機能携帯電話)を所有しフェイスブックのアカウントを持っている若者82人を募り、2週間にわたって毎日、1日5回不定時に、テキストメッセージを送る方法で彼らの主観的な幸福感を測定した。

 チームによると、幸福感や生活の満足感にフェイスブックが及ぼす影響を測る調査は、今回が初めてだという。

 調査では、被験者たちにどんな気分か、不安や孤独を感じるか、フェイスブックの利用頻度、人との「直接」交流の頻度などをテキストメッセージで尋ねた。

 その結果、ある時点でフェイスブックを同時に利用する人数が増えると、次にテキストメッセージを送信するまでに被験者の気分は低下していたという。また、2週間の調査期間中、フェイスブックの利用頻度が増えるほど、生活における満足感は下がっていったという。

 これとは対照的に、個人的な交流があると、被験者の気分は良くなっていったという。

 一方で研究チームは、こうした結果が全てのフェイスブック利用者やフェイスブック以外の交流サイトを利用するユーザーにも当てはまると断言することは避けた。今回は調査対象をフェイスブック利用者の中核を成す若い世代に絞ったためだ。

 その上でチームは、さらなる調査を行い、今回の結果が他の世代やフェイスブック以外のSNSでも当てはまる一般的なものなのか検証するのが重要だとしている。(c)AFP/Rob Lever