【7月16日 AFP】韓国国防省は15日、軍事機密の漏えい防止策として、カメラや録音などスマートフォン(多機能携帯電話)の主要機能を制限するアプリケーションをインストールするよう職員に命じたと発表した。

 15日より、職員1500人はアプリ「Mobile Management Device」をインストールしていないスマートフォンを国防省の建物に持ち込むことができなくなるという。当局者らによると、職員の2割程度がインストールできていなかったため、この日は入り口に長蛇の列ができた。

 韓国の聯合ニュース(Yonhap News)は、プライバシーに関する懸念を理由に一部職員がインストールを拒んだと報じたが、国防省はこの報道の確認を拒否した。

 国防省報道官は記者団に、このアプリによってスマートフォンを使った情報漏えいと、職員のスマートフォンへの部外者の侵入を防ぐと説明。「スマートフォンを通じてわれわれの職務に関する情報が流出する恐れがあるため、主要機能を制限するシステムを開発した」と述べた。

 アプリの使用範囲は今のところ国防省内のみだが、当局者らによると、今後、兵士にも適用される見通しだ。

 サムスン電子(Samsung Electronics)製「ギャラクシー(Galaxy)」など、「アンドロイド(Android)」OS(基本ソフト)を搭載するスマートフォンでは電話の受発信とテキストメッセージの送受信が可能だが、米アップル(Apple)製「iPhone(アイフォーン)」のユーザーは受信のみ可能。聯合ニュースは、匿名の空軍中佐のコメントとして、「セキュリティー検査に合格したiPhone 4を持って来ても、電話とテキストメッセージの受信しかできない。この役立たずの携帯で何ができるって言うんだ?」との不満の声を紹介した。

 韓国のスマートフォン普及率は世界一。国民5000万人のうち約70%がスマートフォンを持っている。 (c)AFP