【12月14日 AFP】毎年、クリスマスになると北米航空宇宙防衛司令部(North American Aerospace Defense CommandNORAD)が開設する、サンタクロースの位置情報を知らせるウェブサイト「NORAD TRACKS SANTA」。プレゼントを配りながら世界中を駆けめぐるサンタの軌跡を教えてくれるこのサイトに地図を提供するパートナーに今年、米マイクロソフト(Microsoft、MS)が選ばれた。

 NORADのサンタ追跡サイトの地図は、2007年からずっと米グーグル(Google)が提供していた。

 マイクロソフトは自社ブログで今週、「今年はわが社とNORADが提携して、サンタの軌跡をこれまでになく分かりやすく提供する」と発表。MSのクラウド・プラットフォーム「ウィンドウズ・アジュール(Windows Azure)」とビング・マップス(Bing Maps)を使ったシステムで、「いつプレゼントが届くか気が気でない子どもたちでさえ、ウィンドウズフォン(Windows Phone)とウィンドウズ8(Windows 8)で簡単にサンタの居場所を確認できる」と述べている。

 MSは検索エンジン市場でグーグルに大きく遅れを取っており、IT関係者は今回のNORADの提携は「MSにとって大きな勝利」だとの見方を示している。

 とはいえ、グーグルのアンドロイド(Android)ユーザーも心配は無用だ。同社のオンラインストア「グーグルプレイ(Google Play)」でも追跡アプリを提供している。

 NORADのサンタ追跡作戦には50年以上の歴史がある。きっかけは1955年、米コロラド(Colorado)州の新聞広告が子どもたちのためにサンタクロースの連絡先を記載したところ、この電話番号が誤ってNORADの専用回線につながってしまったことだ。当時の司令官だったハリー・シャウプ(Harry Shoup)大佐は、子どもたちを失望させまいと部下にレーダーを監視させ、電話をかけてきた子どもたちにサンタの居場所を教えるというはからいを見せたのだった。(c)AFP